2023年8月2日
授業の回が進むにつれて、出席する者が段々と減っていったり、居眠りや内職を始める者が目についたりしたことはありませんか?
そんなとき、受講生の「参加」を促し、教員が受講生の様子を把握するための手法として、「大福帳」が知られています。 大福帳とは、1枚の紙の左側に学生の書き込み欄、右側に教員の回答欄が、授業の回数分だけ並んだ「コミュニケーションシート」です。 その様子や効果についてはこちらのサイトをご覧ください。
大福帳.dc は、紙媒体の大福帳をオンライン化した、授業を支援するための無料のサービスです。
細かな見た目を除けば、大福帳の様式(授業日ごと、左欄に受講生、右欄に教員の書き込み)をそのままウェブアプリに移植してあります。
大福帳.dc では、受講者がこのサービスにサインアップし、かつ、授業(コース)に登録する手間が新たに発生します。 ただ、二次元コードを印刷して教室で提示・配布したり、大学が提供する授業管理システムなどでURL情報を通知すれば、 ディジタルネイティブのいまどきの学生は難なく操作できるはずです。
MoodleやSakai等のLMSの「外部ツール」として大福帳.dcを設定した場合は、受講者によるサインアップとコースへの登録は不要となります。 詳しくは『MoodleやSakaiなどのLMSから大福帳.dc を使うことはできますか?』をご覧ください。
その一方で、大福帳のシートを個人ごとに配って、再び回収する手間は完全に無くなります。受講者全員がスマートフォン等を所持していれば、紙の大福帳のように、授業時間中に確認や記入を実施できます。 デバイスを携帯していない学生に配慮して、 「・・時までに学校のパソコン等を使って記入しておいてください」という指示の出し方も可能と思います。
その他、大福帳.dc には、以下のような特徴・機能があります。
Google Classroomのような教育用に提供されているサービスや、 TwitterやLINE等のSNSでも、工夫して運用すれば「大福帳的」なコミュニケーションは比較的容易に実現できると思います。 また、学校等で導入されているMoodle等の学習管理システム(LMS)も同様です。
一方、大福帳.dc は、紙媒体の大福帳が「しっくりくる」方にお勧めします。 機能はあまり多くありませんが、大福帳のフォーマットはそのままに、シンプルで使い勝手が良いように工夫されています。 時間的な制約から、これまで細かいコメントの記入が難しかった場合でも、 大福帳.dc を使えば、少ない手間でより沢山の受講生からの書き込みに対応できるはずです。 紙を持ち歩く必要が無いので、ネットにさえ繋がれば、スキマ時間を使って安全に作業できます。
あるいは、ミニットペーパー等をすでに授業に導入されている場合は、その代替としてお使いいただけるでしょう。 全員にコメントを返すのが大変な場合、まずは、確認の印(バッジ)だけ与えるようにするのが簡単です。 受講生毎にこれまでの書き込み状況が記録・集計されますので、「代返」も事実上、不可能となります。
大福帳.dc は、既に実績がありその効果が確かめられている「コメントペーパー」の運用を省力化し、加えて、その情報を安全に活用すること、を主眼に開発しました。 既にコメントペーパーを導入されている方、これからの導入を検討されている方は、 ぜひ大福帳.dc をお試しください。
このサービスは、公教育を目的とする限り、どなたでもご利用いただけます。 ただ、安心・安全にお使いいただくため、 不正アクセス等に対する予防的措置として、サインアップには若干の制限を設けています。
お使いのメールアドレスの末尾が .ac.jp (日本の高等教育機関)であれば、どなたでも 大福帳.dc にサインアップすることができます。
学校で ac.jp 以外のドメイン(機関名.jp 等)をお使いの場合は、大福帳.dc の設定を調整しますので下記までメールでお知らせください。
加えて、大学等が発行するメールアドレスを使わず、Google, Microsoftのアカウントを使ってサインアップすることも可能です。 その際、アカウントに登録された表示名とメールアドレスを大福帳.dc に提供するのを許可してください。
学校で Google Workspace for Education や Microsoft Office 365 Education を導入している場合は、それらのアカウントでサインアップ出来ます。
サインアップが終了すると、メールアドレスとパスワードを使って 大福帳.dc にログインできるようになります。 ただし、その状態では受講生用の機能しか使えません。 教員の方は、教員権限の設定申し込み にアクセスして、手続きをしてください。 可能な限り短時間で作業し応答するようにいたします。 ただし、明らかに公教育に関係しないご利用はお断りする場合があります。
東北大学の教職員の方は、「東北大メール」のアドレスでサインアップすると、自動的に「教員」の権限が設定されます。
お問い合わせ・ご相談は、管理者(早川)までメール()にて、お願いします。 さらに詳しい連絡先は 開発者のウェブサイトの下段をご覧ください。
大福帳.dc は LTI(Learning Tools Interoperability) 1.1 に準拠したツールプロバイダとしても動作しています。 LMSの「外部ツール」として大福帳.dc を設定すると、受講生はアイコンやリンクをクリックするだけで、 大福帳の記入やコメントの確認ができるようになります。
大福帳.dc に教員権限のアカウントを作成し、大福帳.dc でコース(大福帳)の設定を済ませると、 LMSの設定に必要となる情報(アクセス先URLやキー)を得ることができます。 詳しくは、教員用アカウントでログインした後、 ヘルプ をご覧ください。
Moodleの外部ツールとして大福帳.dcを使う様子を動画にしてみました。こちら(YouTube)をご覧ください。
Google, Microsoftのアカウントでサインアップする場合、認証作業はそれぞれのサービス側で行われますので、 大福帳.dc 側にパスワード情報は一切送信されません。 認証が成功すると、Google等からメールアドレスや表示名が 大福帳.dc に送信され、大福帳.dc ではそれらを使ってサインアップ処理を行います。
大福帳.dc であなたが行う設定(例えばパスワード変更など)は、Google等のアカウントには一切影響しませんし、 大福帳.dc に書き込んだ内容がGoogleやSNS等に自動的に送信されることもありません。
ただし、利用者がLINE Notifyでの通知を設定・許可した場合は、書き込みの内容がその利用者のLINEアカウントに通知されます。
Google等のアカウントを使ってサインアップしたとしても、 Google等のウェブサービスのコンテンツ利用規定・条件が大福帳.dc に適用されるわけではありません。
利用者は、大福帳.dc に入力したテキストと画像に対して保有する知的財産権を引き続き保持します。
書き込んだ内容を授業関係者以外が閲覧することはできません。 詳しくはこちらのページの「個人情報の扱い」をご覧ください。
将来的には、書き込みの内容をプログラムで処理し、授業改善に繋がるような統計的な指標を抽出・表示する機能を追加したいと 考えていますが、授業に関係しない第三者(管理者を含む)がデータにアクセスできるような機能を、大福帳.dc は一切提供しません。
教員がChatGPTの機能を有効化している場合は、対象となるメッセージがOpenAI社のサーバーに送信されます。
サインアップやパスワードリセットの際、メールアドレスを入れてボタンを押すと、そのアドレスにメールが送信されます。 悪意を持った者がこの操作をプログラム(ボット)で自動的に行うと、大量の迷惑メールの原因となってしまいます。
それを防止するため、 「私はロボットではありません」のチェックによって、 操作しているのが本当に人間かどうかを判定するようにしています。
アカウントおよび授業に関するデータを削除しますので、管理者までメール(宛先:)でご連絡ください。 その際、送信に使うメールアドレスは、サインアップに用いたのと同じものをお使いください。 一旦削除したデータの復元には応じませんのでご注意ください。
学校で導入しているMoodle等のLMSに、サイト全体のLTI外部ツールとして大福帳.dcを登録することも可能です。 ただし、この場合でもLMSの教員は個別に大福帳.dcにサインアップし、教員権限を申請・取得する必要があります。 機関のLMSの管理者の方は、メールでまでご相談ください。
学校(メールドメイン)毎にユーザー管理者を設けて、ユーザー情報の確認や教員権限の設定を行うことも可能です。 機関として大福帳.dcの導入をお考えの担当者の方は、上記のメールアドレスまでご相談ください。
独自サーバーの導入と運用が可能な大規模な組織では、情報管理やパフォーマンスの観点から、機関専用のサーバーを用意いただくのが適切かもしれません。
大福帳.dc は、元々は開発者自身の授業改善のため、実験的に「自分用」に作成しました。 開発者自身にとって使い勝手が良いことを第一にデザインされています。 現在のところ、その運用は開発者個人の(細々とした)研究費によって賄われていますが、 いまどきのサーバーやネットワークは十分に高速なため、一般に提供しても問題無いと判断しました。
大福帳.dc の運用を通じて、この種のオンラインサービスに対するニーズや課題を見つけ、 学習支援用ICTサービスの研究・開発に繋げたいと考えています。
大福帳.dc と大福帳.jsは基本的には同じサービスですが、 大福帳.dcは東北大学および同大学と協力・連携している機関用に若干機能を調整しています。
どちらをお使いいただいても結構ですが、それぞれ別のサーバーで動作しており、アカウントやデータも異なりますから、ご注意願います。